今後、国家資格キャリアコンサルタント試験を受験される方のために
3月3日(日)に行われた 第25回の学科試験のおさらいをしておきましょう。
今回の記事は、政府・関連機関発表の資料からの出題について見ていきます。
ちなみに、別ブログで「チェックすべき資料」について書いています。
こちらは第13回~第23回までの政府・関連機関発表資料に関する主な出題について
書いていますので、こちらも参考にしてください。
第25回試験から政府・関連機関資料の問題を振り返る
第25回キャリコン学科試験で出題された政府関連機関発表資料は、どんなものがあったか?
挙げてみます。
<第25回試験における政府・関連機関発表資料を主題とする出題一覧>
・問1、問2
「人材版伊藤レポート」(「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書」(経済産業省、2022年)
「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」(経済産業省、2020 年))
「暮らしと意識に関する NHK・JILPT 共同調査(一次集計)結果の概要」
(日本放送協会、独立行政法人労働政策研究・研修機構、2022 年)
問1、問2と新しく出てきた資料からの出題になりました。ここは「社会及び経済の動向」に関する
出題なのですが、すでにコロナ禍を抜けて、今後の企業の変革、社会における暮らしに焦点を当てた
出題になっています。
人によっては、この資料のチェックをしていなかったってこともあるでしょうが、ニュースや新聞等で
日頃から世の中の動向を感じていれば、正答できる問題だと思います。
問3、問18
「令和 4 年版労働経済の分析」(厚生労働省)
キャリコン試験では頻出の「労働経済の分析」からの出題が2問ありました。
問3は「キャリアコンサルティングが労働者に及ぼす影響」についての出題。この労働者に及ぼす影響
についての出題は、ここ数回の試験で頻繁に出題されているので、要チェックですね。
問18は「最近の労働市場や雇用の動向」についての出題で、これまでは雇用・失業者、率の推移を
問う出題が多かったのですが、今回はミスマッチに関する出題と、傾向を変えてきました。
・問17
「令和 4 年度年次経済財政報告」(内閣府)
これもキャリコン試験では頻出の「年次経済財政報告」からの出題です。
最近では第21、23回の試験で出題されています。いずれも「労働力の確保・質の向上に向けた課題」
に関する出題です。年次経済財政報告はすでに令和5年度版が発表されていますので、
次回(第26回)試験を受験される方は令和5年版も要チェックです。
・問20
「令和 5 年就労条件総合調査 結果の概況」(厚生労働省)
「就労条件総合調査 結果の概況」は少なくとも第15回以降で初めて出た資料ですね。
キャリコン試験の出題範囲としては「労働市場の知識」に当たりますが、今までは割と
「労働経済の分析」からの出題が多かったところ。今後はこの就労条件総合調査からの
出題もあり得る、ということで要チェックですね。
・問25
「生徒指導提要(改訂版)」(文部科学省、令和 4 年)
キャリコン試験の出題範囲としては「学校教育制度及びキャリア教育の知識 」に当たり
小・中・高校生のキャリア教育の分野としての出題ですね。この分野の問題は
毎回出題される資料が違うので、対策が難しいです。とりあえずここ数回の試験で
出題された資料の中で、小・中・高校生のキャリア教育の箇所をチェックすることですね。
チェック以外の資料から出題されたら、選択肢を見比べて選ぶしか方法は無さそうです。
・問26
「高等学校キャリア教育の手引き」(文部科学省、平成 23 年)
問25に続き、小・中・高校生のキャリア教育の分野としての出題です。
「高等学校キャリア教育の手引き」の資料については、第23回試験でも出題されていますから
こちらの資料については、要チェックです。昨今は大学生以上に小・中・高校生のキャリア教育も
重要になってきているので、国が小・中・高校生のキャリア教育についてどう考えているのか?
を知るためにも一読しておくと良いでしょう。
・問27
「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
(文部科学省・厚生労働省・経済産業省、令和 4 年 6 月 13 日一部改正
今度は、大学生のキャリア形成支援に関する資料です。この資料は第22回試験でも出題されています。
この大学生のインターンシップに関しては出題される確率は高いので、大学生の就活に詳しくない方は
チェックしておくと無難だと思います。
・問28
「健康づくりのための睡眠指針 2014」(厚生労働省)
「健康づくりのための睡眠指針 2014」は過去に第21回試験でも出題されています。
睡眠に関しては、キャリコン試験の出題範囲として「メンタルヘルスの知識」に当たります。
メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強もされている方であれば正答は簡単ですが、
この資料をチェックして睡眠のメカニズムを理解しておくと良いかと思います。
・問32
「令和 3 年版働く女性の実情」(厚生労働省、令和 4 年 3 月)
「令和 3 年度雇用均等基本調査(結果概要)」(厚生労働省、令和 4 年 7 月)
ここでは2つの資料が登場しています。どちらも女性活躍に関する調査結果で、これから先の
キャリコン試験でも女性活躍に関する問題は頻出されるのでは?と考えています。
これまで、女性活躍に関する調査結果は「労働経済の分析」からの出題が多かったのですが
今後は、上記2つの資料も要チェックですね。
・問34
「発達障害のある人の雇用管理マニュアル」(厚生労働省、2006 年 3 月)
この資料に関しては、少なくともここ10回の試験では初の出題ですが、発達障害については
キャリア支援も就労支援も近年クローズアップされていますし、キャリコン試験の出題範囲の
「個人の多様な特性の知識」として今後も出題される可能性は高いので、要チェックです。
・問47
「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書」(厚生労働省、令和 3 年 6 月)
この資料からも過去多く出題されています。第22回では2題、20回、19回でも1題ずつの出題です。
この資料に関する問題が試験の後半(40問目以降)に出される場合は、ほぼキャリアコンサルタント
として必要なネットワークや役割や自己研鑽等の姿勢についてなので、資料のチェックはもちろん
ですが、そもそもキャリアコンサルタントとしての自覚として把握しておく必要があります。
第25回試験における、政府・関連機関発表資料からの出題は以上です。
次に今回の試験について感じたことをまとめていきます。
第25回試験の出題傾向は変わった!?
第25回試験における政府・関連機関発表資料からの出題は、全部で13問ありました。
50問中の13問ですから、割とウエイトがありますよね。
さて、この資料に関する問題で気づいたことをまとめてみます。
(1)初登場の資料が増えたこと
(2)「この分野の問題なら、この資料から」が変わったこと
(3)毎回頻出だった「能力開発基本調査」からの出題が無かったこと
(4)出題の傾向として、時代は”コロナ直後”から完全に”コロナ後”に変わったこと
(5)資料に関する出題に拘わらず、女性を主題にした出題が増えていること
(2)のとおり、たとえばこれまでは「労働経済の分析」からの出題だったのが、初登場の資料
からの出題に変わったりしています。ただ、選択肢をよく読めば正答に辿り着くので、焦らず
今の社会の状況を考えながら選んでいただければと思います。ただし、初登場の資料もチェックは
しておいてください。
また、次回(第26回試験)については、年度が変わりますので、資料も1年新しいものが出る
可能性があります。各資料については、一応最新版もチェックしておいてください。
それから、今回は女性を主題にした出題が、資料に関する出題だけでなく、法律に関する出題も
合わせて増えているのが特徴だと感じました。反対に高齢者に関する問題が、24回、25回と
無かったので、26回ではそろそろ出てくるのかもしれませんね。
以上、今回は第25回国家資格キャリアコンサルタント学科試験における政府・関連機関発表の資料
からの出題について、おさらいしてみました。
次回は、理論家に関する出題についておさらいしますので、そちらもぜひご覧ください。
コメント